あの日。
担架に乗せられ退場していくときも、少しの離脱になるのかなくらいにしか思っていませんでしたが… 試合後、ロッカールームに入った瞬間のただならむ雰囲気は今でも覚えています。
我々広報のメンバーがすぐに集められ、情報共有と今後の対応について話し合ったこと。
いつもは、取材に来ていただくメディアの皆さんとお話をすることが大好きなのに、人目を避け、裏から帰り病院に向かったこと。
「ダメだった」と沈んだ声で病院から連絡が来たときのこと。
選手のそばにいた経験から、年齢とケガのレベルを考えると、もしかしたらこのまま…ということも正直頭をよぎりました。
リリースを出すときは、いつものように… これを出さなければ無かったことにならないかと思いました。
長年、そこにいるのが当たり前だった14番の姿が見えない。
なかなか頭の整理が難しかったです。
その年の残りの数試合。
シーズン前のキャンプ。
サポーターの皆さんはもちろん、スタッフ一同、ケンゴがプレーをしていない状況に一向に慣れることはありませんでした。
慣れないように頑張っていたのかもしれません。
再開後のチームの快進撃。
もうすぐ戻ってくるかもという姿を見てワクワクする気持ちと、果たして戻る場所はあるんだろうかという少しだけザワザワとした気持ち。
そんな悩みは復帰初戦の13分間ですべてふっ飛ばしてくれましたね。
ケガの後、本人はすぐに前を向いていたように見えましたし、皆さんにもそう見えていたかもしれませんが、夜に何度か連絡が来たこともあり、やはり苦しそうでした。
家族はきっとそれ以上だったと思いますが、我々も苦しかった。大変でした。
それだけに嬉しかったですね。
やはり我々はいつも楽しそうに大好きなサッカーをするケンゴが好きです。等々力が誰よりも似合いますね。
ケンゴ、いつもクラブにとって大切なフロンターレのサポーターやスポンサーの皆さんのことを、とても大切にしてくれてありがとう。
1試合1試合、ケガに気を付けて、これからもいいプレーを。
#ケンゴおかえり
#川崎フロンターレ
#中村憲剛